中居正広氏の性暴力問題：刑事責任の行方と社会の反応

元タレントの中居正広氏と元フジテレビ社員の女性とのトラブルを発端とする同社を巡る問題で、公表された第三者委員会による調査報告書について、「トラブルの具体的な内容は想像以上で、中居氏の『性暴力』がはっきりと認定されたことは衝撃だ」と語る法曹関係者は多い。ネット上では、「刑事責任の追及」を求める声も強まっている。今後、中居氏の逮捕、起訴などに進展する可能性はあるのか。

フジテレビの清水賢治社長は3月31日、調査報告書の発表を受けて記者会見し、中居氏への刑事・民事上の責任追及の可能性を問われ「信頼回復後、あらゆる選択肢が検討に残る」などと話した。

会見で注目された報告書の項目のひとつが、「本事案には性暴力が認められ、重大な人権侵害が発生した」という箇所。中居氏の「性暴力」により、女性が「頻回なフラッシュバック、食欲不振、うつ症状等を伴う重篤な症状が認められ、PTSDと診断され、精神科での入院・通院治療及びトラウマ治療を受けるに至った」と報告している。

さらに、報告書によると、中居氏とフジテレビを巡っては、今回の事案発生から約2カ月後の2023年7月、中居氏が編成幹部に事態の収拾について携帯メールで「協力を願いたいです」などと相談。

幹部が「かしこまりました！　お役にたてるよう尽くします」と応じて面談した際、中居氏は「内々で」と口外しないよう依頼していたほか、携帯メールについても「見たら削除して」と依頼。幹部は要請に応じてメールを削除したが、今回の調査でスマートフォンを解析する「フォレンジック調査」により復元されたという。

これだけの〝状況証拠〟がそろっていれば、法的に罰せられないほうが、おかしいとの声は、記者会見の質問者からも上がっていた。

ただ、このとき第三者委が「性暴力」認定の根拠とした「WHO定義」は、「性暴力」の認定範囲が極めて広く、「ただちに逮捕しろ、と叫ぶのは早計だ」と検察担当の全国紙記者が語る。

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